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高湯温泉

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高湯よもやま話

高湯温泉の歴史や出来事など…

高湯温泉の西側にある「信夫硫黄鉱山跡」

2016/09/24 | 永山博昭

花月ハイランドホテルの脇から不動滝展望所へ至る道があり、途中の遊歩道駐車場を利用できる。もしくはホテル脇の観光協会第3駐車場を利用できる(バス駐車可)。
展望所へはズリ山の裾を回り込んで行くが、ズリ山に登ると展望は素晴らしい。福島市街はもとより、遠く信達地方を望むべく宮城県は角田方面まで見える時がある。

採掘は明治年間から始まり、昭和の太平洋戦争中に最盛期を迎えた。昭和28年に廃坑となったが、当時をしのばせる精錬窯跡など煙突とともに遺構が残されている。最盛期には400人もの坑夫が従事し、小学校までも併設されていた。当時は給金が支給されると、歓楽地へと懐手で山を下る坑夫の姿が見受けられていた。懐具合により近場か、もしくは瀬上(せのうえ)方面まで足を延ばしたと聞く。

ズリ山には構築物のレンガが散らばり、硫黄の結晶が多く含まれた鉱石が見つかる。マッチのような硫黄鉱石独特の匂いがあり、フィールドワークの教材としては宝探し気分となる。ただし鉱山付近は雨水で深く崖状に浸食された場所もあり、立ち入りには十分に注意が必要である。

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