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高湯よもやま話
高湯温泉の歴史や出来事など…
高湯温泉の旅館ふじ屋
2024/08/12 | 永山博昭
磐梯吾妻スカイライン有料道路は昭和34年11月に開通した。それ以前の県道70号線は安達屋旅館前が終点、福島交通の「高湯温泉」停留所であった。スカイライン開通後には安達屋駐車場奥に福島交通の駅舎が置かれ、有料道路周遊の乗車券が販売された。そのような理由があり、スカイラインの起点は現在の安達屋旅館前である。
当時は明治時代の絵図のとおり、安達屋、吾妻屋、信夫屋の3軒が隣り合って営業をしており、明治4年開業の玉子湯は800メートル離れた下で営業していた。
信夫屋はその後、ふじ屋と改名して共同浴場あったか湯建設のために取り壊されるまで、高湯では一番古い建物として営業していた。それは戊辰戦争で焼かれた後の建造物であった。
今回の資料写真は県道向かい側から撮影したものである。現在の共同浴場と同じアングルで見てみると、まさに同じ場所に建てられたと分かる。風呂の位置も同じでつづら折りの階段を下りて、男女浴槽が2つと全く同じ位置である。
共同浴場建設計画の折には、現状の建物を利用できないか検討されたが、マッチ棒の寄せ木細工のような構造物で、残念ながら維持費がべら棒にかかるという理由で却下された。
資料はいわゆる旅館のパンフレットの写真であるが、周辺の観光案内が詳しくあり、松島から磐梯山、東山温泉まで山々の峰を紹介しながらの周遊観光図である。
旅行自体は今のような高湯の温泉目的ではなく、登山、ゲレンデスキー、山スキー、観光道路巡りなどのレジャーが紹介されており、またそれを利用する二次交通も現在よりもはるかに充実していた。
まさに磐梯吾妻スカイラインの開通により、山中の湯治場であった温泉地が、旅行の中継基地として変貌した時代であった。
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