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高湯よもやま話
高湯温泉の歴史や出来事など…
ヌル湯と高湯~いにしえからの温泉
2017/12/02 | 永山博昭
不動沢を挟んで左岸に高湯、右岸にヌル湯があるのだが、地形図を眺めると二つの温泉は隣合って見える。
その昔は高湯よりヌル湯へ通じる道があり、吾妻山古道はヌル湯が登り口とされた。
高湯からの吾妻登山道は新道と呼ばれ、近年に整備された道である。当時の郵便は町庭坂より配達人が高湯へ午前中に到着し、徒歩でヌル湯へ配達へ。帰路に高湯を経由してポストを確認するという、高湯でのポストは午前と午後の2回投函書を回収したと言われている。
現在のヌル湯までの道は、水保からの微温湯街道を登って行くか、吾妻運動公園からパイロット農場道路を経由しての道しかない。高湯より延々50分の道のりである。途中の交差路で花月ハイランドホテルを間近に見ながらのドライブとなるが、昔の道は車両の都合ではなく、人の往来により形成されるものであるとあらためて感じ入る。
この高湯とヌル湯を結ぶ昔の道は、南へ土湯温泉へ通じ、北は旧米沢街道宿場の李平へと繋がる。戊辰戦争時には米沢藩兵の退却時に、温泉を官軍に使わせないように土湯~ヌル湯~高湯と火をつけて撤退したと伝えられている。高湯では安達屋の蔵だけが焼け残ったと言われ、高湯温泉の存続を危ぶまれた1度目の危機であった。
2度目の危機は、明治時代に福島県令に着任した三島通庸の、庭坂村湯町建設時の温泉権乗っ取りがある。そして3度目の危機は東日本大震災であるのだが、これらの話は別な機会の四方山話とする。
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