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高湯よもやま話
高湯温泉の歴史や出来事など…
高湯温泉の温泉柿エピソード
2011/12/21 | 永山博昭
高湯温泉では昨年より、福島の「みずほフーズ」という漬物屋さんと温泉水で柿の渋抜きが出来ないか?と試行していました。
温泉水に含まれている成分が渋抜き作用する、という事が分かり商品化を考えていましたが、今年は1トンほどの試作をしました。
通常は平種柿のような四角い柿を渋抜きするのが一般的で、福島でよく目にする先の尖った蜂屋柿という種類は通常「あんぽ柿」と呼ばれる干し柿にします。渋抜きは柿のへたの部分から作用するので、平たい品種は渋抜きが効率良く行なわれるのだなと分かりました。つまり先の尖った大型の蜂屋柿は、まんべんなく先まで渋抜きをするには向いていない形であるのです。こういった事は実際に作業してみないと、気が付かない事実でした。
1トンという量は20キロコンテナ50箱分でして、けして少ない量ではありませんが、広く販売するには多くはありません。そこで各旅館に配布して、宿泊のお客様にデザートなどで提供していただきました。
蜂屋柿は干し柿で食し通常生食しませんので、パリパリと食べる感覚は福島人でも新鮮な感じがしました。また旅館によっては、温泉柿を羊羹に加工し黒豆とミントを添えたデザートとして提供した施設もありました。
渋抜き作業で苦労した点は、温泉成分が抜けないように、新鮮な温泉水を使用するということでした。源泉からタンクに直接汲み上げて、すぐに作業場へ持ち込み準備した柿にかけ密封する。また温泉水に浸す時間が長すぎると硫黄の味が柿に移りますし、短いと渋が抜けない。的確な時間の設定が難しかったです。
柿の個数が少なければ、のんびり風呂場での作業も可能ですが、数が多いとひたすら作業に徹しなければならないという醜態になります。ゆったり温泉には似合わない姿でした。
高湯の白濁した硫黄泉で食品を加工する、という初めての試みでしたが、みずほフーズさんの「やってみよう」というチャレンジ心には、なかなか地元人としては出てこない発想でした。大変な思いもしましたが、楽しいチャレンジでもあり、今回試食できた方はラッキーだったかもしれません。柿の甘みの他に、温泉独特の旨味があったと思います。
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